インプラント治療とは、歯がなくなった際にその失った部分を補うための治療法の一つです。
インプラントとは「何かを埋める」という意味で、医科では整形外科の人工関節等を骨に埋め込む治療で多くの実績があります。
歯科でもかなり以前から金やサファイアなど、いろいろなものが歯の代わりとして埋め込まれてきましたが、いずれも良い結果を得られませんでした。
しかし1965年、スウェーデンのブローネマルク博士がチタンと骨が結合することを発見、それからインプラント治療が発展し現在のインプラント治療が確立しました。
インプラントは単に歯が抜けたところに歯を入れて噛めるようにすることだけが目的ではなく、インプラントを入れることで口腔内全体の歯にかかる負担を軽減し、口腔内全体のバランスを保つために入れます。
バランスが保たれることで、その人の口腔内はより長く健康な状態を保つことができます。
ただ、インプラントも天然歯と同じく歯周病になるので、やはり定期的な管理は必要です。
そして、その中で患者さんとコミュニケーションをとり、様々なアドバイスをしていくことで、インプラント、天然歯共に長く良い状態を保つことができます。
現在、ブローネマルクインプラントの20年累積残存データとして発表されているものには、1983年から85年にかけて治療された報告で上顎90.0%、下顎92.3%というデータがあります。
また、10年以上のデータでは96%、5年以上のデータでは98%以上という報告もあります。
ただし、これらのデータはあくまでも全体としてであり、万人に当てはまるものではありません。個人個人の口腔内の清掃状態や、かみ合わせ、噛む力、喫煙、基礎疾患の有無などの条件により成功率は変わってきます。そのため、きちんとした日々のセルフケア、定期検診が大切になります。
骨の少ない、そのままではインプラントを埋めることのできない患者様には、まず骨造成を行います。
インプラント体を埋める骨が元々ある方は、診断をした後そのままインプラント埋入手術が受けられます。
骨を削りインプラントを埋め込み、キャップをして歯茎を閉じます
歯ぐきを貫通する大きなキャップをつけます
仮歯を作り実際に使用して問題がないかデータを集めていきます
仮歯で得た情報を元に最終的な被せの型を採り、装着します
治療が終わった後も口腔内は少しずつ変化していきます。問題が起きないように定期的に検診を受けましょう。